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酒さについて

[2020.04.13]

「酒さ」とは?
酒さとは、鼻や眉間、頬といった顔面の中心に赤みが見られる慢性疾患です。発症は中高年以降に多く、その名前からもわかるように、まるでお酒を飲んでいるかのように見えるのが特徴です。酒さの症状は、重症度によって3段階に分類されています。

紅斑性酒さ(第一度酒さ)…顔がほてって肌が赤くなったり、やや太めの血管が赤い糸くずのように見えるもの

酒さ性座瘡(ざそう)(第二度酒さ)…紅斑性酒さに加えて、ニキビのような膿疱(のうほう)ができるもの

鼻瘤(びりゅう)(第三度酒さ)…膿疱が悪化し、コブのように鼻の頭が盛り上がったようになるもの
しかし、必ずしも第一度から段階的に進行していくとは限らず、第三度の鼻瘤が初発症状として現れるケースもあります。また、湿疹やアトピー性皮膚炎、ニキビなどの症状が合併し、酒さとは診断がつきにくいこともあります。

 

原因は?
酒さの根本的な原因はまだ解明されていませんが、皮脂腺が異常に増殖することで、そこに栄養を供給するために周りの毛細血管も増殖することで皮膚が赤くなるといわれています。また、遺伝・体質などの背景に、以下のような要因が重なって悪化するとも考えられています。
長時間の入浴や激しい温度変化
緊張やストレス
紫外線による刺激
熱い飲み物やアルコール、香辛料など刺激の強い飲食物の過剰摂取
化粧品による刺激
過剰な皮脂分泌
顔ダニ など

治療法は?
酒さは慢性の疾患で完治しにくいので、皮膚科での治療としては症状を良好な状態にコントロールしていくための対症療法が行われます。一般的によく用いられるのは、テトラサイクリン系抗生物質の飲み薬や、非ステロイド性抗炎症薬などです。

外用薬
海外で酒さや酒さ様皮膚炎の治療薬として定評の高い外用薬に、メトロニダゾール軟膏や、アゼライン酸高濃度配合クリームがありますが、いずれも日本国内では承認されておらず、医療機関でのみ保険適用外で処方されています。また、酒さの症状に応じてプロトピック軟膏やイオウ・カンフルローション、非ステロイド性抗炎症薬などが用いられる場合があります。
一般的な湿疹や皮膚炎で使用されるステロイド外用薬でも一時的な効果は見られますが、長期にわたる使用は酒さを悪化させるおそれがあります。

内服薬
抗菌作用や抗炎症作用の高いテトラサイクリン系抗生物質の内服薬が多く用いられています。抗生物質としては副作用も少なく、長期の内服も可能です。また、ほてりを持つ酒さの場合は、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などの漢方薬を用いる治療もあります。

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