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アトピー性皮膚炎について②

[2020.12.28]

前回に続いて、今回はアトピー性皮膚炎の治療についてお話したいと思います。

アトピー性皮膚炎の治療
アトピー性皮膚炎治療の重要性
アトピー性皮膚炎の症状である「痒み」によって夜十分に眠れないと、身長の伸びが悪くなったり、学校生活で本来の力を発揮できなくなってしまったりすることがあります。顔に症状がある場合には、白内障や網膜剥離といった眼の合併症のため視力に影響が出ることがあります。ご家族の負担や心労も大変大きいものです。適切な治療を早期に行うことによってこのような影響を防ぐことができます。
アトピー性皮膚炎治療の3本柱
アトピー性皮膚炎の治療は、①スキンケア ②薬物療法 ③悪化要因の対策の3つが治療の基本となり、どれも欠かすことができません。正しい治療を行うことで症状をコントロールして、湿疹などの症状が出ない状態にすることができます。
治療の実際
標準的治療の①スキンケア(皮膚の清潔を保ち、うるおいのある状態を保つこと)②薬物治療(皮膚の炎症を抑える治療)③環境整備(環境中の悪化因子をみつけ、可能な限り取り除くこと)の三本柱を中心にした治療により、「寛解導入(症状を改善させ湿疹のないすべすべのお肌にすること)」を行います。

薬物療法の副作用について
ステロイド外用薬の副作用については、「免疫抑制」、「成長障害」、「糖尿病」などを聞いたことがあるかもしれませんが、これらは、外用(塗る)ではなく全身投与(内服や注射)で使用した場合のものです。
また、ステロイド外用薬の使用で皮膚に色素沈着(黒ずんだ色調になること)が起こるのではないかと心配される方も多いのですが、これは薬剤の副作用ではなく皮膚の炎症が長く続いたことによるもので、湿疹の治療により改善します。
ステロイド外用薬を長期に使用すると皮膚が薄くなったり、にきびなどの局所的な副作用が出現したりすることがありますが、薬の使用方法を患者さんの状態に応じて調整することで、このような副作用を回避します。このためにはスキンケアや環境整備により、アレルゲンや汗などへの対策を十分に行って悪化要因を減らしていく努力も欠かせないのですが、着実に薬剤を減らしながら湿疹のないお肌を維持できるようにします。

 

アトピー性皮膚炎でお悩みの方は気軽に相談にいらしてください。お読みいただきありがとうございました。

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