帯状疱疹について
帯状疱疹って何?
子供の頃に感染した水ぼうそうが大人になって再発するものが帯状疱疹と言います。
帯状疱疹とは、水痘帯状疱疹ウイルスを原因として発症します。
1〜5歳の間に初めて感染すると「水痘」と呼ばれ、治療後も体内に潜伏を続け、過労やストレスによる免疫機能低下などに伴い体内に潜伏していたウイルスが再度活性化することで帯状疱疹を発症します。皮膚にピリピリと刺すような痛みと、赤い斑点や小さな水ぶくれが体に帯状に広がる様から帯状疱疹という病名がつけられました。帯状に水疱が出現する理由は体に帯状に走行している神経に沿ってウイルスが増殖をするためです。
過去に水痘にかかったことのある人なら誰でも帯状疱疹になる可能性があります。
通常は生涯に一度しか発症しません。再発は稀であると言われています。
原因は?
帯状疱疹(ヘルペス)と水痘は同じ水痘ウイルスが原因で、初めて水痘にかかった時に、水痘ウイルスが神経に入り込み潜伏します。
潜伏しているだけなら特に症状は出ませんが、ウイルスが活性化することで発症します。
1度目の発症が水痘、2度目の発症が帯状疱疹ということになります。
ウイルスが活性化する要因には次のようなものがあります。
・加齢
・疲労
・ストレス
・悪性腫瘍
・感染症
・放射線
・紫外線
・免疫低下など
症状は?
一般的に、どちらか一方の神経分布領域に一致して、疼痛、知覚異常あるいは痒みが数日から1週間続き、やがて虫刺されのような発赤が皮膚に出現します。この時期に軽度の発熱やリンパ節腫脹、頭痛などの全身症状がみられることもあります。発赤上に中央にくぼみのある小水疱(みずぶくれ)が多発しはじめ、やがて黄色い膿疱となり、1-2週間前後で水疱が潰れてびらん(ただれ)または潰瘍になります。このような皮膚発赤と小水疱が新生を繰り返して皮膚病変が拡大します。その後は症状が軽快して、約2-3週間でかさぶたとなり、徐々に脱落して軽快します。症状がひどい場合は皮膚潰瘍が深くなり、潰瘍が閉鎖するまで長時間を要することもあります。発症場所は主に胸・背中ですが、全身に発症するので注意が必要です。
治療方法は?
帯状疱疹の治療はウイルスの増殖を抑える抗ウイルス剤と痛みを抑える消炎鎮痛剤が処方されます。局所の場合、初期症状では非ステロイド抗炎症薬、水疱が現れている場合は二次感染を防ぐために抗生物質外用薬、潰瘍形成後は潰瘍治療薬を使用します。重症化している場合は入院して抗ウイルス剤の点滴を行います。痛みが激しい場合や麻痺が出ている場合は副腎皮質ステロイド薬が使用されます。多くの場合は以上の投薬で10日程度で軽快します。
こんな症状で困っていませんか?
・皮膚のピリピリ・ヒリヒリとした痛みや痒み。
・虫さされのような浮腫性の紅班。
・軽度の発熱・リンパ節の腫れ、頭痛。
・小水疱(小さい水ぶくれ)初めは透明で徐々に黄色く濁る
・水疱が破れただれ・潰瘍
・一週間は以上の症状が出続け紅班・水疱が増え続ける。
・かさぶたが治っても痛みが続く場合がある。
それは、帯状疱疹かもしれません。
早期回復のために、なるべく早期受診・治療を開始しましょう!
2020/03/02