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脂漏性皮膚炎

[2020.05.11]

脂漏性皮膚炎とは...

頭皮を中心にみられる慢性の皮膚炎・湿疹です。頭皮以外にも顔、胸、背中、腋窩(わきの下)、股などの毛の生える脂漏部位にみられます。3ヶ月未満の乳児や思春期、40〜60歳代に多い病気です。発症すると、白色・黄色・灰色などを呈するフケのようなもの(鱗屑)が皮膚に付着します。皮膚は赤みを帯び、かゆみを伴うこともあれば、伴わないこともあります。
普段の生活では、皮膚を清潔に保つため洗浄することが重要です。

原因は?

脂漏性皮膚炎は、「マラセチア」と呼ばれる真菌が発症に大きく関与していると考えられています。マラセチアは皮膚に常在する菌で、皮膚から分泌される脂質を分解して皮膚の炎症を引き起こすと考えられています。ただし、マラセチアがすべての人に対して脂漏性皮膚炎を引き起こすわけではありません。皮脂の分泌状況やpH、湿潤環境などさまざまな環境因子がマラセチアにとって好条件になった場合、発症すると考えらます。

どんな症状?

皮膚症状は、頭皮や顔など脂質分泌の多い領域を中心としてみられます。症状が現れやすい場所は、顔であれば眉毛や眉間周囲、鼻の周囲、耳の内側や後ろです。また、ワキの下、背中、股なども好発部位です。
脂漏性皮膚炎の症状は変動することがあり、ストレスや冬の乾燥などによって症状が増悪します。また、自然に改善することもあれば、慢性的に経過することもあります。乳児に発症する脂漏性皮膚炎は「乳児脂漏性湿疹」と呼ばれ、多くは生後3ヶ月頃を境に自然に改善します。一方、成人に発症するものの場合は、慢性的に経過することが多くなります。

治療方法は?

生活面からの治療アプローチ
脂漏性皮膚炎は皮膚の脂質が多い環境で発症しやすいため、洗顔や洗髪を適切に行うことが重要です。洗髪は爪を立てずに泡立てて丁寧に洗います。マラセチアという真菌が関連して脂漏性皮膚炎を起こしていることから、フケ止めの薬剤が含まれているシャンプーを適時使用することで改善することがあります。
また、日常生活のストレスをきっかけとして増悪することも知られています。そのため、十分な睡眠をとり、疲れを溜めないような生活を送ることも重要です。

薬物療法
ステロイドを代表とした塗り薬により症状を緩和させることが基本です。皮膚の症状や、病気による変化が生じている部位に応じて適切なものが使用されます。
皮膚の炎症がおさまれば、ステロイドの使用頻度を減らし、ケトコナゾールという抗真菌薬が含まれる塗り薬が使用されます。また、軟膏タイプのものは頭皮に塗りにくいことから、ローションタイプのものが選択されます。

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